海苔箱?
知人と美味しいお酒と料理を楽しんでいるとき、『中塚さん、海苔箱って知ってる?』と聞かれました。そのようなものは耳にしたことはありませんでした。
詳細を聞いてみると、粋なお蕎麦屋さんでは、つまみの焼き海苔が湿らないように小さな箱に、これまた小さな炭を入れて蓋をしておくと、乾いた状態まま最後までおいしく海苔が食べられるようにする小道具とのこと。
帰ってから調べてみると、15㎝×10㎝×15㎝くらいの蓋つきで、換気用の溝が彫ってあるもののようだという事が分かりました。一回作ってみようと、きれいな柾目の板を探しだし、製作に取り掛かりました。
箱そのものは大きな問題もなく作ることはできましたが、意外なことに問題は温めるのに使う小さな炭でした。当初、切り炭を小さく切って燃やせばよいだろう、と考えていましたが、1個の小さな切り炭では燃え続けません。炭箱を販売しているサイトを調べてみると、その目的に使える小さな炭を売っていることが分かりました。これで良し、と意気込んで使いましたが、折角着いた火も、箱の中に入れると途中で消えてしまいます。
結局、換気用の溝が細すぎて十分な空気が供給されないことが原因と分かるまで、試行錯誤に1か月くらいかかってしまいました。
最後は、無事知人の手元に届ける事が出来、喜んでもらう事が出来たので、一安心です。昔からのものには知恵がいっぱい詰まっていることに気づかされた一件でした。