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屋久杉を使った茶道具

 友人の奥様が、裏千家のお茶の先生をしていおられ、これまでもいくつかの茶道具の作成をしてきました。(そのうちのいくつかはここでもご紹介した通りです。屏風、棚など)

今回、奥様の実家の整理をしたときにその家の欄間に使われている材が、屋久杉だということで、これを使った棚(茶道具で棚という言葉は非常に広い意味でつかわれるようで、道具を少しでも置く用途であれば棚と呼ばれるようです)を作れないかとの依頼を受けました。勿論お受けし、幅、奥行き(畳の大きさにぴったりと合わなければならないという決まりがあるようです)高さなどを打ち合わせて作成しました。

す。

IMG_6002.JPG

 欄間を支えるために枠がはめられているのでそれを慎重に外し、なるべくその枠を再利用しながら、足りない部分を似たような感じの米ヒバで補充、黒っぽい部分は例によってウォールナットを使って作成しました。隙間の部分があまり枠部分に当たらないように位置決めを慎重にしてから意を決して切り始め無事に枠に収めることができました。

​ 今回これを使ったお茶会を催したとのことでその時の写真を送ってきてくれました。我ながら上出来で乾杯です。いつも書く通りですが、このタイプのものは、茶道具を実際に配置することでとても美しく見えます。写真、いつもありがとうございます。

 左の写真は、完成した時に我が家で撮影したもの、右は、持参して、美味しいお菓子とともに、お茶を点てて頂いた時に撮影したものです。

 材料は、スプルースというバイオリンなどの楽器を作るときにも使われるもので、比較的軽く艶のあるものです。また、屏風用の蝶番がないかと探したところ、京都に、有限会社 西村健一商店という、襖引手金具、表装材料などの専門店があるのを見つけました。京都迎賓館の建築時にもその表装などを納めたお店です。京都にあるお店を訪ねて、(50-14●銀古美風炉先用兵丹丁番)を購入して取り付けました。

​ 喜んでもらえたうえ、屏風に『遠山(とおやま)』という銘までつけてもらうことができ、製作者冥利に尽きます。

 スケッチを基に、合板に形を移して冶具とし、それを使って切り出します。

​ スプルースを12㎜の厚さにするために、必死で鉋で削りました

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